仕事が終わったあと、上司に飲みに誘われたとき、ちょっとした気遣いを見せることで、上司に気に入られそれが出世につながるかもしれません。逆に上司に飲みに誘われたとき、友達とお酒を飲む感覚で飲むと、反感を買ってしまうことも……。上司と飲みに行ったとき、次の10つのマナーを意識すれば、上司に気に入られて出世のチャンスをつかめるかもしれません。
◆上司に気に入られるお酒のマナー1 上着を預かってハンガーにかける
冬の時期になると上着を羽織る機会が多くなるでしょう。
上司が上着を脱ごうとしている仕草を見かけたなら、「上着、ハンガーにかけますよ」と言って上司の上着をハンガーへかけます。
上司と飲みに行ったときは自分だけが良いという考え方ではなく、細かい気遣いが必要といえます。
こういった当たり前の行動が、出世への入口となるかもしれません。
◆上司に気に入られるお酒のマナー2 なるべく入口に近い席に座る
上司と飲みに行く際、気をつけなければならないのが、自分の座る席の場所です。
お店には下座と上座といって、入口に近い席を下座といって、入口から遠い席のことを上座といいます。
さて、部下はこの下座と上座、どちらに座れば良いのでしょうか?
答えを述べると部下は、入口に近い下座に座り、上司へは「こちらの席へどうぞ」と言って入口から遠い席へ座っていただくのが常識といえます。
最近では、フレンドリーな若い上司も多いことから、下座や上座を気にしないで座るケースが多くなっていますが、上司の年齢が自分よりも上であるほど、下座と上座を意識すると上司に気に入られ出世するチャンスをつかめるかもしれません。
◆上司に気に入られるお酒のマナー3 お店のおすすめメニューを聞く
席について一段落したところで、お酒や料理を頼むことになるでしょう。
行きつけのお店なら大抵注文する料理が決まっているものですが、そうでない場合は、部下が注文を頼むとき、お店の人へおすすめのメニューを聞きます。
店員さんがおすすめのメニューを教えてくれたあと、上司には「おすすめは●●らしいですけどいかがでしょうか?」とたずねましょう。
また、おすすめのメニューを聞くと同時に、上司へ「料理で何か食べられないものはありますか?」と聞くことも大切です。
そうすることで、自分のことだけでなく、きちんと上司である自分のことまで考えてくれているといった良い印象を与えられます。
◆上司に気に入られるお酒のマナー4 枝豆などすぐに出てくるお通しを頼む
おすすめのメニューを聞くことも大事ですが、ガッツリとした料理がくる前に、枝豆など手軽に食べられるおつまみを注文することも大切です。
こうすることで、手持ち無沙汰にならず、料理を食べながらお酒を楽しめるでしょう。
ちなみに、枝豆などすぐに出てくるおつまみのことをクイックメニューと呼ぶことがあります。
◆上司に気に入られるお酒のマナー5 瓶ビールを注ぐときはラベルを上にする
最初の一杯でビールを頼むことが多いでしょうが、お店によっては瓶ビールをおいている場合があります。
上司と瓶ビールを頼んだ場合は、上司のグラスに部下である自分が先に注ぐのが礼儀でしょうが、注ぎ方にも注意点があります。
まず瓶ビールを注ぐときは、必ずラベルが上になるようにしましょう。そして、ビールと泡の比率ができる限り7対3になるように注ぎます。
そして忘れてはいけないのが、瓶を片手で持つことなく、右利きなら注ぎ口を左手で支えましょう。
基本的に瓶ビールは部下である自分が率先して注ぐものですが、もし上司が自分のグラスに注いでくれるというシチュエーションに遭遇したのなら、グラスを下に方向け両手で支えるように持つことが礼儀です。
こういった注ぎ注がれ方にも出世につながる秘訣が隠されているといえるでしょう。
◆上司に気に入られるお酒のマナー6 乾杯するときは自分のグラスの縁を下にする
最初の飲み物がテーブルにやってきたら必ず乾杯をするようにしましょう。そのとき気をつけたいのが、乾杯の仕方です。
乾杯はただグラスの縁と縁をくっつけるだけなく、必ず部下である自分のグラスを上司のグラスの縁よりも下に当てます。
こうすることで、自分は上司のことを敬っていることを、間接的に伝えられ、自然と出世につながっていくかもしれません。
◆上司に気に入られるお酒のマナー7 割り箸は上下に割る
お店によっては、塗り箸ではなく割り箸を用意していることがあります。割り箸の割り方にも実は礼儀があり、豪快に縦に割るのではなく、横にして上下に割るのがきれいな割り方とされています。
こういった細かい部分も上司は見ているかもしれません。上司に気に入られて出世したいと考えているのなら、このような細かい部分にも気を配りましょう。
◆上司に気に入られるお酒のマナー8 上司の飲み物がなくなりそうなときは次の飲み物を聞く
上司のグラスの飲み物が少なくなっていた場合、「次は何を飲みますか」と、上司にたずねることも大切です。
最近では、飲み会などで話に夢中になって、上司のグラスに飲み物が入っていないことに気づかない人もいます。
上司と飲みにいくときは、上司が自分から飲み物を頼まないように、常に上司のグラスの中身を気にすることが大切です。
◆上司に気に入られるお酒のマナー9 唐揚げなどにレモンを絞るときは、おしぼりで手を拭いてからにする
唐揚げなどにレモンを絞りたいときは、上司へ必ず「唐揚げにレモンを絞ってもいいでしょうか?」とひとこと聞きましょう。
上司によっては、唐揚げにレモンを絞るのが嫌いな人もいるからです。もし、自分の好き好みで勝手にレモンを絞ってしまった場合、上司の内心で反感を買ってしまい出世のチャンスを逃してしまうかもしれません。
またレモンだけでなく、サラダなどのドレッシングなども、レモンと同様に、かけてもいいのか聞くようにしましょう。
料理に調味料をかけるときは、必ず自分の手をおしぼりで拭いてからかけるようにもしたいです。
そうすることで、清潔感を保つことができ、上司に好印象を与えられるでしょう。
◆上司に気に入られるお酒のマナー10 上司がお会計をしているときは上司の財布が見えない位置に立つ
上司と飲みに行ったとき、割り勘ではなく上司が全額飲食代を払ってくれる場合も珍しくありません。
そんなときは、ほかのお客さんの邪魔にならない位置に立ち、できれば上司の財布の中身が見えないように気を使いましょう。
そして必ずお店を出てから「今日はご馳走様でした。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることが大切です。
感謝の気持ちを伝えずに当たり前のように、していると上司の不服を買ってしまい、気に入られるどころか出世コースから遠のいてしまう場合があります。
よって、上司におごられたときは、必ず感謝の気持ちをその場で伝えることを心がけましょう。
──上司は部下の以外と細かい部分を見ているもの。上司に限らず年配の方とお酒を飲むときは、常に敬いの気持ちを大切にして、ちょっとした気遣いを見せることが大切といえます。仕事以外のプライベートで見せる小さな気遣いも、上司に気に入られる重要なエッセンスといえるでしょう。
〈文/相模玲司〉
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